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教育とは何か

2011年3月11日に東北地方を中心とする東北関東大震災が起こりました。多くの犠牲者と被災者を出し、戦後においてもっとも深刻な大災害となりました。その後、原子力発電所が破壊され、日常では絶対と言ってよいほど使わない放射能という言葉が日常会話の俎上にあがりました。この緑進便りを書いている3月31日現在において、まだ原発は終息せず長期化が見込まれています。被災者の方々には心よりお見舞い申し上げたいと思います。
この大災害では多くの子どもたちの尊い命が失われました。しかも安全な避難所ともなる学校において被災しました。未来のある子どもたちが犠牲になることはさらにつらいことです。これだけ科学技術が進歩しても自然の力には無力となり、ただ逃げることしかできません。そしてこのような自然災害は日本のような地震が多い国では避けることができません。ただ避けることはできませんが、その後の対応は人が行います。そのとき大切なことはパニックにならないこと、リーダーは迅速かつ適切な指示をすること、情報網を構築することです。これらが非常に大切になるのですが、情報化時代といわれる現代において情報は錯綜または遮断され、救助が遅れるということが起こります。また未曾有の出来事に果敢に挑み、判断・指示するのがリーダーの役割ですが、前例がないもの、マニュアルに答えが書いていないものに対しては事実上、何もできない“リーダー”が露呈しました。
このような事態を考察して感じることは、「教育」とは何のためにあるのかという疑問です。読み書き、そろばんといった生活していくうえで必要な能力を身に着けることは最低限必要なことですが、もう少し教育を広い意味で捉えていくと別のことが見えてきます。確かにこのような大災害が発生したことで、人は大切な「心」を顕在化させて、行動に移します。募金やボランティアがそうです。人間として自発的に行うこのような行為は、教育によってなされるようになったものではなく、人が生まれながらに持っている美しい心が発言したものと思っています。しかし、今ここではそのような行動ではなく、有事に際し人が適切な行動と判断ができるようになるためには教育として何が必要であるかと考えます。私はリーダーたる資質を養成することが大切であると思いました。社会的地位が高く、名誉や財産があっても、何もできないでは話になりません。もちろんすべてのこのような有事の際にリーダーになるものでもなく、また資質があるわけではありませんが、大なり小なりリーダー的存在になることはあるものです。そのときに大切なことは、適切な情報を集め、適切な専門家を集め、本質的、多面的、長期的視点で判断し、迅速に実行することですが、そのときもっとも大切なことは答えがない状況をいかに切り抜けるかという力です。これは「生きる力」といってもよいでしょう。または「考える力」といってもよいでしょう。常に答えのある問題に取り組んできた我々現代人は、このような未曾有な出来事に際して無力となります。ですから教育とは、答えのない問題に対応する力を作ることも必要であると感じました。ベンチャー企業は、はじめはすべて自分でやり、マニュアルもなく市場の状況に対応しながら、そのときそのときの適切な解を導き成長していきます。そのような能力をつけていくことも教育では必要であると実感します。そうすることで知識力、対応力、思考力といった総合的な能力が身についていくことでしょう。これからの日本の教育もあり方を変えていかなくてはならないでしょう。
  1. 2011/05/01(日) 00:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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