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理科離れ進む

昨年の8月に文部科学省は「2015年4月に全小6、全中3を対象に実施された全国学力・学習状況調査」の結果を公表しました。それによると理科で、「相変わらず分析や考察が苦手で、学年が上がるにしたがって理科を嫌う子どもが増えるという傾向がある」といいます。また、総合的な結果では、下位の県の点数が上昇し、平均との差が縮小したとのことです。話題性のあった内申書評価に活用すると明言した大阪府は、中学の全科目で順位を上げました。
この文部科学省による全国学力・学習状況調査は公立学校が対象で私立も一部参加していますが、いわゆる偏差値の高い私立学校は不参加であることから、実態を反映していないということは良く知られています。実際、秋田県がトップと言われていますが、実態としては、東京や神奈川県がトップにきます。(私立まで含めた学力調査結果が別で行われており、そのデータによる)ですから、あくまでも公立の学校の子どもたちと考えて話を進める必要があります。
さて、理科離れの件ですが、この原因について端的に申し上げると、「教え方が上手ではない」私は考えています。これは何も理科に限ったことではありませんが、理科は特に実験が重要になってくるため、他教科に比べ、グループワークが強調される科目です。そのグループワーク(近年、これをアクティブ・ラーニングと称している人もいる)は単に集団でやらせればいいというものではなく、全体の興味関心を誘発させ、あとは集団による積極的な話し合いをさせていく必要があるのですが、残念ながら、それができる教員は多くありません。相変わらず、つまらない授業をしています。子どもたちは本当に、分析や考察が苦手なのでしょうか。そうではありません。ただ、分析の仕方や考察の仕方を教えてもらっておらず(教えてもらっていたとしても、教師がつまらない教え方をしている)トレーニングされていないだけなのです。漢字や計算などをトレーニングすることは簡単ですが、分析・考察をトレーニングすることは、今の理科の教員では難しいのでしょう。しかし、テレビでおなじみの「でんじろう先生」がもし理科の授業をやれば、子どもたちは理科が一番好きになるにちがいありません。面白い仕掛けや道具という目を引くものもありますが、その中でもしっかりと理科の原理というものを学ばせています。全国の理科の先生(小学校は担任)でも非常に上手な教え方、ファシリテーとされる先生はいることでしょう。しかし、これまで非常に多くの授業を見学してきた中で、私が出会った素晴らしい授業をする理科の先生は、5%未満であったことは残念なことです。これが実態なのです。
おそらく文部科学省から各教育委員会へ学力を引き上げるための努力をするよう通達がされていると思いますが、漢字や計算、各教科の知識など教え方の上手下手があまり影響せず、トレーニングをすれば誰でも簡単に変わる要素(コンテンツと呼ばれるもの)は、即変化していくことでしょう。しかし、分析・考察といった本質的要素(コンピテンシーと呼ばれるもの)は、誰が指導者かによって大きく左右されるのです。まずは、理科の教員への適切な研修を行うことが近道だと思いますが、世界一忙しいと言われている日本の教員にその時間はとれません。ということは本質的課題が解決されないため今後も現状から変わらないということになります。
大きく変わるチャンスがあるとすれば、理科を知識ではなく、分析・考察を問う入試問題で構成するようになったときでしょう。これについては、私はある程度楽観的に見ています。大学入試はじめ日本の教育は2020年を境に理科のみならず、大きく変化することが予想されているからです。そのタイミングで世界一素晴らしい授業を展開する日本の教育が実現できればと切に願います。
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  1. 2016/05/01(日) 01:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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