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公立の小中一貫校の制度化

新年、あけましておめでとうございます。昨年はありがとうございました。本年も宜しく申し上げます。
さて、今回の記事は、昨年の3月17日に小中学校の義務教育9年間のカリキュラムを弾力的に運用できる小中一貫校を制度化することが閣議決定された「学校教育法改正案」についてです。一貫校の名称は「義務教育学校」というようで、学校教育法第1条で定める学校となります。この改正は2016年4月から運用されるということですから、今年の4月から行えることになります。この学校は地域の実情に合わせて学年の区切りも変えることができるようですが、教員は小中の両方の免許が必要であるようです。
 さて、この制度の良い面は、中1ギャップと言われる中学に上がる時点における「いじめ」問題を解消されるということが上がっていますが、この制度の裏には、学校の統廃合の問題があります。過疎地において小学校で全校人数が10人などという学校では教員や施設の経費だけでも莫大にかかりますので、近くの中学校と2つ3つの小学校を統廃合して一つの学校で小中一貫にして小学校の先生でも中学校を指導できるなど、経費削減の問題が背景にあるのです。今や、国も、地方自治体も、「お金がない」が口癖になっているため、これはやむを得ない措置なのかもしれませんが、それを表に出さずに、いじめ問題解消や現代の成長過程に合わない小中の学年構成という部分に視点がそらされていることが気になります。私の見解では、これは大きな検討違いであると考えています。
それよりも、問題点の方が大きいと思われます。最も大きな点は転校したときに、カリキュラムが異なると、整合性が保たれないというものです。おそらくこの点は審議の段階で出ていると思いますが、どのように解消するのでしょう。私立中学に進学する子にとって学校のカリキュラムが負担になるということもあるでしょう。例えば、ある義務教育学校では小6の段階で中1の勉強をしていたとすると、中学受験の子にとっては算数ではなく数学という概念が入ってきたり、英語を勉強したりすることになるなど、大きな問題が発生するでしょう。もちろん、公立学校は私立への進学を前提としておらず、独自のカリキュラムで進めるのは当然という考えでしょうが、実情として私立進学がいる以上、問題は起こるでしょう。
 私は、小中一貫で学年の区切を弾力的にすることを認めるということは、もはや公平性を保つべき公立学校という基本理念は失われ、何でも良いという漠然とした無秩序化を愛くのではないかと危惧しています。もし、これを是とするのであれば、小学校での学習を教科担当制として特に国語、算数については能力別にする必要があるでしょう。私から見て、小学校の勉強は能力の高い子にとっては退屈な授業であり、勉強が出来ない子にとっても、退屈な授業であり、多くの生徒にとって意味のある授業ができているのか大いに疑問です。建前論で話すことはやめ、実態に即した運営をするべきであろうと思います。小学校と中学校の接続について、なにも同じ敷地に学校を構えずとも、地域連携を行えばいいわけですが、それが実情としてできないということであれば、同じ敷地に校舎を構え、小中の免許を持つ教員が教えても、たいして変わりはないことでしょう。
 品川区や呉市のような先行事例を挙げて、うまくいくはずだというイメージを持っているようですが、小中の実情を本当に理解し、教育政策に反映されているのか、疑問に感じてしまいます。中1での学力で差がついているというように言われていますが、そもそも小学校での基礎教育に問題があり、それを放置しているため、中学へ持ちこして中学校で差がついているのです。すべきことは、小学校の充実化です。基礎教育を徹底して行い(いまは徹底していない)一切の落ちこぼれをつくらない対策を行い、それを実現させる努力をすれば、中1プロブレンは解決し、私学へ進学する生徒にとっても基礎教育の徹底は有難いはずです。とにかく政策決定者は校長や学者、識者の意見を聞くだけではなく、現場をある一定期間自分の目で見て、実情がどうなっているのかを把握してもらいたいと思います。
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  1. 2016/01/01(金) 00:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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