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日本で唯一の混合教育学校

東京の吉祥寺駅からバスで10分、学校法人武蔵野東学園があります。この学校の寺田理事長先生とお会いしたのは、今年の1月。そして3月に学校訪問をさせていただきました。この学園は、1964年の東京オリンピックの年に設立されています。創業者の北原キヨ女史によって設立された、日本で唯一の自閉症の子どもたちを積極的に受け入れ、健常児との混合教育を行っている学校です。幼稚園が2つ、小学校、中学校、高等専修学校を持つこの学園では、約1700人の子どもたちが元気に学んでいます。またアメリカ合衆国のボストンにはボストン東スクールを1987年に開校し、自閉症教育では非常に高い実績を出しているのです。
 訪問すると、まず校舎の美しさが目立ちます。校内はとてもきれいで、塵一つ落ちていない状況に、私が問うと理事長先生は、「これは毎日子どもたちが清掃することで、ここまできれいになっているのです」と答えられました。正直、子どもたちの清掃レベルの高さに驚嘆しました。業者を入れて清掃してもここまでの美しさはでないだろうと思えるほどです。次に、先生たちが皆、明るく陽気で挨拶をしてくれることでした。通常、学校訪問をすると、挨拶をしてくれる先生もいればそうでない先生もいるようにまちまちな学校が多いのですが、この学校は違いました。そして職員室に入らせていただくと、驚くことに、教員の机の上にはノートパソコンが1台と少々の書類があるだけで、教材やプリントで山積みという光景は一切ありませんでした。非常にすっきりしており、学年によって構成されたデスクでは、お互い顔を見合わせながらミーティングができるようになっています。おそらく教材等は、ラックの中に収納されているのでしょう。非常に整理整頓が行き届いており、これも驚きの一つでした。
 教室は、健常児と自閉症児のクラスが交互に構成され、自閉症児のクラスは5から10人程度です。そこに先生が2人つき、指導をしています。休み時間に、児童の一人が私のところへ来て、自分が書いた絵日記を見せてくれました。とてもきれいな字と絵で描かれたその絵日記を見て、これまた驚きです。しかもその子が自閉症であると後で聞き、さらに驚いたものです。全く健常児の子と変わらないばかりでなく、能力が高く、素直な子だなと感じたのです。私の持つ自閉症の子どもたちの印象がこの日を境に完全に変わってしまいました。こちらの学校では、一般的に自閉症専門の学者の理論とは全く逆のことを実践して、成果を出しているのです。例えば、自閉症児への教育は個別指導が望ましいというのが、一般の理論です。しかし武蔵野東学園では、集団活動、集団指導を旨としており、その成果の記録が膨大にあるようです。これだけの臨床成果があるのにもかかわらず、学者の世界では、まだ古い理論が一般的のようです。
 一方健常児のクラスの授業レベルは高く、高校がないため中学は他校へ進学するのですが、非常に高い都立高校への合格実績がでています。これも創業者のお考えであるようで、勉強は出来なくてはならないということで、教員が一生懸命頑張った成果が毎年でています。授業は自閉症児とは別々で行いますが、それ以外の活動は共に行います。その混合教育が双方の子どもたちに好影響を与え、目覚ましい成果として定着しているのです。
 高校はありませんが、高等専修学校があります。いわゆる専門学校のような学校です。ここでは自閉症の生徒が学ぶのですが、なんと、卒業後50%が就職できているのです。特に行先としては老人ホームが多いようです。老人ホームでは、自閉症の方の接し方がとてもよく、皆さんから慕われているようです。
 まだまだたくさんの良い点があるのです、ここでは書ききれません。このような学校が東京の吉祥寺にあるということは、記憶にとどめていただくと良いかもしれません。間違いなく、混合教育、いや本来あるべき学校のモデル校であるといえます。
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  1. 2015/10/01(木) 00:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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