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教育格差は経済格差?―東京大学の親の年収

東京大学が発表した2013年の学生生活実態調査によれば、東京大学の親の年収はやはり高い数値がでています。東大生の家庭の57.0%が年収950万円以上となっています。大学生の子供がいる一般家庭(世帯主が40~50歳)では、年収950万円以上は22.6%ということを考えると随分と家庭環境が異なるということがわかります。また父親の職業は、管理職:43.4%、専門技術・教育職:22.6%となっており、その65%以上が管理職・専門技術職となっています。家庭の所在地は58.2%が関東地方となっています。数年前に東大生の家庭の年収の高さが話題になりましたが、その傾向は全く変わっていません。そして父親の職業は管理職・専門技術ということで、年収の高い職位にあるようです。質の高い先生の指導を受けるためにはそれだけお金がかかり、そのような指導を受けた生徒は学力が飛躍するということを意味するのでしょうか。確かにそれもあるかもしれませんが、私は、別の見方をしています。しっかりとした家庭では、子どもも真っ直ぐに育つという論理に従えば、東大生の家庭はお金の問題よりも、家庭内における生活習慣や物事を考える習慣ということが日常生活において自然になされている結果、子どもの頭脳は磨き上げられていくということではないかと思います。現在、私は東京大学大学院教育学研究科の博士課程に籍をおいており、周囲に学部生からあがってきた学生が多くいるという環境にも身をおいています。その学生達にヒアリングするとどのような家庭環境にあるかという点が浮き彫りになってくるのです。私がヒアリングした学生たちは皆、特に教育重視の家庭というよりは、のびのびと勉強をさせており、やるべきことは何事もしっかりやるというスタンスを感じました。一般に考えられている東大生=ガリ勉ではなく、しっかりと物事を思考することができ、興味関心や好奇心が人より多少強いという傾向があるように思います。さらに東大生に共通する特徴として、私はよく3つのことを話します。一つは記憶力が良いということです。細かいデータなど、よく知っています。ですから論文を書くときに必要な先行研究の文献にどのようなものがあるかなどを記憶しており、頭の中にあるデータベースからすぐに引き出せるようです。なぜ記憶力は良くなるのかという点については、様々な知見がありますが、私見では、好奇心の度合いに応じて記憶力のレベルが異なると考えています。興味があるものに対して人は自然と記憶するものです。好きな人のデータは暗記しようと思わなくとも覚えられてしまうというのが何よりの証拠です。ということは、東大生は、勉強の中身について深く入っていくことができ、その内容に対して自分なりに興味の対象に咀嚼できるということです。二つ目は語彙数が豊富であるということです。言葉を良く知っています。ですから一つのことを語るにも、同義語を使って幾パターンにも説明ができるのです。この背景には文章を読む機会が多いのでしょう。特に読書だと思いますが、頻度が高ければ高いほどインプットされる語彙は増えることは当然のことです。東大生と座談会をしたことがあります。そのときに高校時代にはどのような勉強をしていたかと聞くと、多くの文系の学生は、大学生が授業で読むような哲学書や文学作品などを読んでいたのには驚かされました。つまり、勉強というよりも興味あるから読んでいるということです。そして最後の特徴は、論理をつなげることが上手であるということです。イメージとしては将棋のような感じです。つまり相手が出した駒によってこちらの手を何通りにも作っていくという構造化が得意です。例えば、私は直面したゼミでの場面では、このようなことがありました。発表者に対してゼミ生が質問をするのですが、その質問に発表者が答えると、「だとしたら、〇〇はどのようになりますか?」と次にまた質問します。つまり、はじめの質問で発表者から出てくるいくつかの答えを想定しており、これこれの答えの場合はこの質問をするというように構造化されています。これを、発表を聞きながら同時処理しているのですから、たいした頭脳です。しかしこれは一朝一夕になりたつ能力ではなく、おそらく日常生活からこのような思考回路が習慣化されているため、大学でも自然とこのような考え方になるのでしょう。私の考えるこの3つの特徴が東大生になるためのキーワードであるように思われてなりません。しかもそれは家庭で習慣化されたのではないかと考えています。決して年収の高い家庭はお金があるから東大生が生み出されるというだけの短絡的な結論ではないのだろうと思っています。
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  1. 2015/07/01(水) 00:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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