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日本の教育支出費

OECD(経済協力開発機構)による「図表でみる教育」13年版を解説した「2013年7月12日内外教育」という冊子から今回はお話をしたいと思います。
ここでは日本の「公的支出、GDP比でまた最下位」と書かれています。ポイントとしては3つあります。(2011年段階のデータに基づく)
① 日本の教育支出額は加盟国平均より多いが、GDPに占める公的教育支出の割合は低い
② 日本では高学歴化が進んでいるが、海外への留学生は少ない
③ 教員の勤務時間は平均より長いが、授業時間は短い
 ではそれぞれについて説明していきましょう。まずは①です。08年から10年の間、教育期間への公的支出額はOECD平均で約5%増加しており、日本も同様です。しかしGDP比でみると、日本は3.6%であり、比較可能な加盟国の中で4年連続最下位となっています。ちなみに公的支出の割合が最も高いのはデンマークで7.6%、2位がノルウェー7.5%、3位がアイスランド7.0%となりOECD平均は5.4%です。米国は5.1%で韓国は4.8%ということをみてみると、いかに日本は公的教育費支出が少ないかわかります。さらに興味深い点は、公的支出に私的負担を合わせた額(初等~高等教育までの2010年の年間総支出の生徒1人当たりの額)でみるとOECD加盟国で比較可能な29か国中12位となっていることです。つまり、日本は国が教育にお金を出さないが、個人が私的に教育費を支出しているということです。特に高等教育(大学)における総支出のうち、公的財源は34.4%にとどまり、OECD平均の68.4%に比べ半分程度であることが顕著です。さらに2000年から比べ減少しており、逆に私的支出が増加しているのです。ドイツや北欧などは高等教育が無料であることは有名ですが、そこまでいかずとも、はやり日本は個人が支出する比率が高すぎるという感覚は正しいことがわかります。
 次に②についてです。2011年に海外の高等教育機関に出て学ぶ学生の3.5%が日本を選んでいるようです。実態として62.3%が中国から、17.1%が韓国からですからほとんどがこの2国で占められています。一方、11年に海外の高等教育機関に在籍する日本人学生の数は3万8535人で、これは全学生中1.0%にすぎません。OECD加盟国では2.0%の学生が海外で学んでおり、日本は平均の半分となっています。
 最後に③です。OECDの分析では「日本の教育制度が効果を上げているのは、日本の教員が非常に優秀だからだ」としています。そのうえで、11年の教員の勤務時間を比べると初等、中等教育段階での日本の国公立学校教員の法定勤務時間は年1883時間でOECD平均は1670時間に比べ日本は200時間以上多くなっています。しかし重要な点は、授業時間数の少なさです。授業時間は日本の初等教育では731時間、前期中等教育(中学)では602時間、後期中等教育(高校)では510時間となっており、OECD平均に比べ、それぞれ59時間、107時間、154時間少ないことがわかっています。この理由としては「日本の教員は、授業以外の業務をこなすことが期待されている」として部活動の監督や生徒指導、事務処理の要因が挙げられています。
 このようにみてくると、日本の教育実態の一部がよくわかります。特に教員は長時間働いているが、授業時間数は短いというのは、非常に大切な事実として認識する必要があるでしょう。それでも日本の教育水準が高いのは、限られた時間内で学校の教員が孤軍奮闘した結果なのか、それとも私的教育機関が貢献したことなのかは、わかりませんが、いずれにせよ、何かの力によって維持されているということでしょう。
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  1. 2014/12/01(月) 00:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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