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韓国の小学校教育

昨年11月に韓国の初等学校(小学校)英語の研究でソウルを訪問しました。3年前にも一度見ていたのですが、前回は単なる視察であり、今回は調査という目的で訪問しました。韓国では1997年に初等学校3年生から英語を成課として導入されて以来、2000年からは英語の授業は英語で行なうという授業方法(Teaching English in English)を行なっています。今では週3時間英語の授業があります。今回授業参観したのは、ソウルでも一番教育熱心なエリアである江南エリアの学校と比較的所得層が低いエリアの学校の2校です。共に授業は韓国人の先生が英語で授業を行なっています。驚くのは、生徒が先生の英語を全て理解し、英語に対して英語で自然に返答していることです。もちろん私教育国家(通塾率が非常に高い国)として有名な韓国ですから小学生の5年生以上では100%近い通塾率です。ですから塾でも英語に力を入れていることもあるでしょうが、私が驚いたのは学校の先生の指導レベルの高さです。私は今まで多くの先生方の授業を指導してきましたが、今回参観した授業はほぼ完璧に近い状態です。授業の導入部分では、前回の復習を口頭で行ないその後口頭試問で確認し、ビジュアル的(韓国では全ての教室に電子黒板があり、英語は電子教材が用意されている)授業の展開、隣同士で会話の暗記トレーニングと発表、ペーパーによる書き取りトレーニング、最後に授業のキーフレーズを全員に記憶させて教室から一人ずつ退出するというかたちです。これを1クラス30人の生徒を対象に40分で無駄なくやり遂げます。宿題は原則としてなく、授業内で記憶させていくのです。
私が提唱する授業の原則をすべて網羅されており、驚きとともに感銘を受けた次第です。もちろんこの背景には、韓国の教育庁(日本の教育委員会に相当)による手厚い教員研修制度とインセンティブがあります。予算配分も相当割いており、人の育成に力をいれています。「国を作るのは人であり、人を作るのは教育である」という理念のもと推進しているのです。
韓国では海外留学率が高いことも有名です。全留学数の65%が小学生であるという点も見逃すことはできません。またTOEICやTOFELの受験を小学生から行っており、少々異常とも思えるぐらい過熱しています。政府も英語政策目標の一つに「私教育費の削減」を掲げていますが、増加の一途を辿っています。したがって公教育を充実させることで私教育費を削減することを狙うために、さらに充実される方向です。
一方、日本では韓国に遅れること14年、平成23年度からようやく小学生英語が週1回導入されました。また平成25年から高等学校の英語は英語で授業することを予定しています。韓国との差異を見てみると、決定的に異なることは指導者(教師)への研修制度がゆるい(または実質的に行っていない)ことでしょう。現在のような研修に力を入れない状態で政策ばかり先行していると、総合的学習時間のように形ばかりで中身が薄い結果となります。(ただしその後総合的学習時間を有効的使う工夫が各学校や先生によってなされ、形になりつつあるところへ授業時間削減となっています)予算の問題なのでしょうが、何が最も重要なことであるのか、その本質を見て予算を投入するという必要があります。しかし実際は目先の緊急的予算配分となってしまっていることは非常に残念なことです。先生たちの自助努力に任せられている現在の人材研修の有り方は今後の日本の教育の有り方を決定づけるともいえます。日本は現在、教育において後進国になりつつあると感じます。もはや子どもの教育は自ら行うという気持ちで行なわなければなりません。
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  1. 2012/03/01(木) 00:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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