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教育改革をデザインする

今回も前回に引き続き著書による内容からお話をしたいと思います。「教育改革をデザインする(岩波書店)」という本があります。佐藤学先生の1999年の著書です。佐藤先生は現在、東京大学大学院教育学研究科教授で、教育方法学で有名です。方法学では「学びの共同体」を推進されており、協同学習と言って、生徒同士が教えあい、学びあうスタイルの授業方法のことです。1週間に2~3校の学校視察を長年されてこられた、その臨床例から得られた珠玉の本と言っても良いでしょう。この本からは私たちがいかに日常においてマスメディアからの刷り込みによって「思い込ませられている」ことが多いかわかります。本書では教育改革議論の10のウソという内容も書かれています。これらはいずれもマスコミによって歪められ、真実から大きくかけ離れたものであると指摘します。
1.日本の子どもは勉強に追われており、ゆとりがない。
2.教育内容が難化しついていけない。
3.教育は画一的である。
4.悪平等がはびこっている
5.学力偏重の高校入試が中学生を窒息させる。
6.いじめ、不登校は心のケアで解決する。
7.アメリカは個性重視の入試を行っている。
8.欧米の大学は入りやすく卒業が難しい。
9.地方分権化は教育の自由化を拡大する。
10. 学校選択の自由は学校改革を推進する。           
 これらはいずれも実態とは異なるといいます。マスコミは一断片のみを取り上げ、それが全体であるかのように表現することは有名な話ですが、教育分野においてもその犠牲となっています。1980年代に学校がピークを迎え、規模も大きく入試の倍率も高い時期です。この頃から全体の1%に満たない一部の生徒の現象をマスコミは一般化し、短絡的な結論によって決められてしまっていると筆者は述べます。また、本書で1クラス30人学級は必然であると指摘しますが、その人件費の捻出についても述べています。30人学級にするには一般に小中高で21万人の教員数をさらに増加させ、そのために必要な人件費は1兆8000億円であるといわれています。ではこの根源をどうするか。子ども手当の費用をこちらに振り向けたり、新たな財源を増税によって捻出したりする必要はなく、単純に今の予算でできるようです。なぜならば、公立学校の教員の4人に1人は授業を行っていません。(小学校で学級数の1.4倍の常勤教師が、中学校で1.9倍の常勤教師がいる。1997年文部省資料)官僚主義的な行政組織(教育委員会、教育センター、指導主事や社会教育など)へと吸収され学校を離れているか、校内にいて教務主任などで授業を行っていないのです。おびただしい数の教師が教室を離れ、中間管理職につくシステムを過去30年間(1999年当時)の教育行政の官僚主義化でできてしまったのです。つまり、余っている先生がたくさんいるということです。この先生に授業を持ってもらえれば30人学級は今の予算で可能であるということです。このように教育改革について多くの提言をしており、それとともに我々が知らない実態が書かれています。事実を見る“目”は非常に大切なことです。
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  1. 2012/02/01(水) 00:00:00|
  2. 石田勝紀からの便り
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