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習熟度別クラスは効果があるか

PISAという試験をご存知でしょうか。OECD参加国を対象にその国の中学生に同一の試験をさせて、その結果を国別に公表する学習到達度調査のことです。試験科目は、読解リテラシー、数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決など受験的知識を試す試験とは異なり、思考力を試す試験です。日本は2003年、2006年とこれらの試験で大きく落ち込み、学力低下問題が表面化しました。そして2009年の前回の試験では少々元に戻ったということで、ゆとり教育の改善が正しかったと文部科学省は胸をなでおろしました。実はこの試験では、思考力を試す調査以外にも、家庭環境や学校の環境なども調査されており、その結果をもとに、世界中の学者が分析して論文にまとめています。今回の緑進便りではその中から、いくつか興味深い内容についてお知らせします。
 はじめに「アカウンタビリティ」という言葉についてお話します。これは日本では説明責任という言葉が当てられて、よく企業では使う言葉です。教育学においては、これは学力テストや学校評価などを指します。つまり、しっかりとした客観的データを保護者などへ説明するということです。このアカウンタビリティが学力の向上にプラスに働くという意味において、学校改革をテーマとする議論でよく使われます。PISAのデータに基づく論文ではこのアカウンタビリティの項目があり、そこからは次のようなことは判明しております。
 1)月1回の校内テストは効果なし。しかし、学校最終テスト(外部試験)×校内テストとすると効果ある。
→日本では学年末試験で点数が悪くても実質的に進級できますが、海外では学校最終試験で得点できないと卒業できません。このように学校最終試験は学力向上にプラスに働きますが、校内試験(毎月実施)のみでは効果がマイナスに働いています。つまり卒業か留年かという人生を左右するテストやそれに関連する内部テストでなければ、ただテストややっても意味がないということです。
 2)習熟度別クラスは効果がマイナスとなる。
→習熟度別クラスは学力向上にプラスに働かないことは日本の教育学者も唱えています。私はこれまでの指導経験上、納得がいきます。その理由ははっきりとしませんが、おそらく深層心理において、そのクラスでいることに安住し、向上心が失われると思われます。実際にデータとして向上しないどころか、マイナスに働くと出ています。もちろん、優秀な指導者が下のクラスを担当し、全員のレベルを引き上げる例はあります。またプグマリオン効果(別名:教師期待効果)というものがあります。教師の期待にこたえるように成果を出す傾向があるというものです。教師が受け持つクラスの生徒は学力が高いと予め伝えられ(実際は低い生徒ばかり)、その後指導をしていくと、生徒の成績が上昇していき、逆に学力が低い生徒である知らされた教師(実際はレベルが高い生徒)は、その後の指導ではクラスの生徒の学力が下がったと報告されています。クラス分けをすると、教師はレベルの高いクラス、低いクラスという認識のもとで指導します。教師はその段階である種の期待感をもっており、その期待感が授業に反映され、結果として学力向上にはつながらないということでしょう。
思いや考えがいかに大切であるということを考えさせられます。保護者である皆様もお子さんに対しての期待というものを過度に持つ必要は逆効果になりますが、プラスの期待感を持ち続けることはお子さんにとって、ともて重要なことであると思います。
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  1. 2011/07/01(金) 00:00:00|
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